占有の他人性(2)封緘委託物 | 論証

封緘物の保管を委託された者がこれを奪った→その罪は?
               ↓
検討すべき犯罪を確定するにあたって、封緘委託物の占有の帰属主体を明らかにする必要がある
               ↓
委託物全体→現実に支配している受任者に占有あり
内容物→封緘により開披を禁じている委任者に占有あり(東京高判S59・10・30)
           ただし、↓
内容物を領得する手段として全体を領得した場合
→その時点で内容物への占有侵害を認め、窃盗罪(刑法235条)が成立すると解する
 ∵ かかる場合に横領罪とするのは刑が不均衡
  
* 全体の領得→横領→5年以下
  内容物の領得→窃盗→10年以下




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posted by 一徹 at 04:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

占有の他人性(1)上下主従関係 | 論証

占有の有無の判断基準→社会通念 
∵ 占有とは事実上の支配→事実上支配の態様は複雑

(1)上下関係
  (ex.倉庫係が保管されている会社の商品を持ち去る)
   →上位者に占有あり→窃盗罪成立 
    ∵ 下位者の占有は、上位者の意思に支配されている

(2)主従関係
  (ex.貨物列車の車掌が列車内の貨物を持ち去る)
   貨物の占有→主たる占有者(鉄道会社)と従たる占有者(車掌)との共同占有
     ∵ 車掌にはある程度の主体性を持つ占有あり
       →ただし、その占有は会社の占有意思の実現手段にすぎない
   →車掌の行為は会社の占有を侵害→窃盗罪成立
     ∵ 主たる占有者の同意を得ずに独占的に占有取得

(3)従たる占有者に処分権ある場合
  (ex.店主Yから商品管理を委ねられたXが無断で商品を持ち去る) 
   商品の占有→処分権あるXが事実上支配→業務上横領罪(刑法253条)が成立
     ∵ Xは商品管理を委ねられている→処分権あり
       →社会通念上、処分権ある者に事実上の支配あり


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posted by 一徹 at 04:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

死者の占有(2)殺害後に財物奪取の意思を生じて奪取した場合の罪責 | 論証

XがYを殺害後に財物奪取の意思を生じてYの時計を奪取した
→Xの罪責は  
           ↓
一 XがYを殺害した行為→殺人罪(刑法199条)が成立する
        次に、↓
二 その後、財物奪取の意思を生じ時計を持ち去った行為
  →窃盗罪(刑法235条)の成否を検討する
           ↓
 「窃取」が認められるか?占有侵害があるか?
       確かに、↓
 死者に占有なし→占有離脱物横領罪(刑法254条)になるとも
        しかし↓
 これでは形式的にすぎ、法益保護の要請に反する
       そこで、↓
 規範的にみれば、殺害行為と時間的・場所的に近接した殺害犯人による奪取行為
 →被害者の生前の占有を侵害したと評価できる
 →「窃取」にあたると解する
       よって、↓
Xの行為は「窃取」にあたる
→窃盗罪が成立する
→殺人罪とは併合罪(刑法45条前段)

* 強盗は問題とならない ∵ 財物奪取に向けた暴行がない



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タグ:生前の占有
posted by 一徹 at 19:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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