親族相盗例(刑法244条)の論点(3)教唆犯への刑法244条の適用の可否 | 論証

<事案> A→B→C(Aの親)

Aは自分の親であるCのカメラを盗むようにBを唆し、Bが盗んだ

               ↓
1 Bの罪 
  → 窃盗罪(刑法235条)成立 
  → 同罪の処罰を受ける ∵ 他人の物を窃取している

2 Aの罪
(a)窃盗の教唆犯(刑法61条1項)が成立する
     ∵ Bに窃盗を「教唆」し、Bが「実行」
          もっとも、↓
(b)Aは自分の親が所有する物の窃盗を教唆
 →刑法244条1項により刑が免除されないか?
  教唆犯に刑法244条1項が適用されるか?
           この点、↓
  否定説 
  ∵ 他人が正犯として介在している
    →刑法244条の趣旨が妥当しない
           しかし、↓
  肯定説→刑は免除される
  ∵@ 刑法244条3項は「親族でない共犯」には適用しないと規定
    →反対解釈→「親族である共犯」には適用する
   A 一身的事由→論理的には、共犯にも個別的に適用できる

 






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posted by 一徹 at 11:05 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

親族相盗例(刑法244条)の論点(2)親族関係の錯誤 | 論証

<事案>
Aは母B占有、他人C所有のカメラを、母B所有と誤信して盗んだ
→Aの罪は?
               ↓
1 Aの行為→窃盗罪(刑法235条)の構成要件に該当する
           しかし、↓
2 刑法244条1項の適用により、刑が免除されないか?刑法244条の親族関係は誰との間に必要か?
  → 双方説(判例)
  → Aには刑法244条1項は適用されない
          もっとも、↓
3 Aはカメラを母Bの占有し所有する物と誤信している
→かかる親族関係の錯誤は罪責に影響しないか?
               ↓
親族関係の錯誤があっても、違法性や責任が阻却されることはなく、罪責に影響しないと解する
     ∵ 刑法244条は政策的な処罰阻却事由

  <刑法244条の法的性質>     <親族関係の錯誤>
    違法性阻却事由説     →  違法性の錯誤
    責任阻却事由説      →  期待可能性の錯誤
    一身的処罰阻却事由説   →  犯罪の成否に影響なし





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posted by 一徹 at 10:48 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

親族相盗例(刑法244条)の論点(1)人的適用範囲 | 論証

刑法244条が適用されるための親族関係は窃盗犯人と誰との間に必要か?
               ↓
財物の占有者および所有者との間に存することを要する
(最決H6・7・19・双方説)
  ∵ 刑法244条は「法は家庭に入らず」という政策的配慮に基づく
    一身的処罰阻却事由と解される
    →その適用は家庭内での解決が可能な場合に限られる

 cf. 所有者との間に必要とする説 ∵ 本権説
    占有者との間に必要とする説 ∵ 占有説
    (批判)財産罪の保護法益とは関係なく、目的物の占有者・所有者のいずれかが親族以外の者であれば、他人を巻き込むこととなり244の趣旨が妥当しない




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posted by 一徹 at 10:32 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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