強盗罪(刑法236条1項)のまとめ

強盗罪


一 意義

:暴行or脅迫をもって他人の財物を強取することを内容とする犯罪


二 保護法益  本権および平穏な占有


三 客体 「他人の財物」


@ 他人の占有する他人の財物

A 「自己の財物であっても他人が占有しor公務所の命により他人が看守するもの」(刑法242条)


四 行為 
「暴行or脅迫を用いて」他人の物を「強取」



1 「暴行or脅迫」

(一) 相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のもの(判例)
  ∵ 被害者の意思に基づかずに財物を奪う点に強盗の本質がある

(二) 判断基準→社会通念   
            
基礎事情→一般人の認識可能事情or行為者の認識事情
 ∵ 「暴行・脅迫」は構成要件要素→構成要件は社会通念を基礎とした違法・有責類型

      (論点)
        臆病者に対する暴行・脅迫


(三) 「暴行or脅迫」の相手方

→ 財物奪取の障害となる者(判例) 
∵ 「暴行・脅迫」は財物奪取の手段


2 「強取」

@暴行・脅迫により
A相手方の反抗を抑圧し
Bその意思によらずに
C財物を奪取した
という一連の因果の流れの存在が必要

 ∵ 強盗罪は暴行・脅迫を手段として被害者の意思に基づかずに財物を奪取することを本質
とする犯罪 

(論点)
 @ 暴行・脅迫後に財物奪取の意思を生じて奪った場合
  →暴行と窃盗の併合罪 
   ∵ 暴行・脅迫が財物奪取の手段ではない→「強取」がない

 A「暴行」を受けた被害者が反抗を抑圧されずに財物を交付
  →強盗未遂 ∵「強取」といえない
  ←判例:強盗既遂

 B 居直り強盗  
  →強盗罪 ∵ 財物奪取に向けられた暴行・脅迫あり


3 着手時期

    → 財物奪取の目的で暴行・脅迫を加えたとき


4 既遂時期

    → 占有を取得したとき



五 主観的要件

 1 故意
 2 不当領得の意思


  




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posted by 一徹 at 12:08 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不動産侵奪罪(刑法235条の2)の判例(最決平成11・12・9)

<事案>
Aは土地・建物の所有者甲から土地を賃借した(利用権限=建物賃借権とその範囲内での土地利用権)
→その後、甲は倒産状態となり夜逃げ
→その後、Aから賃借権を譲り受けた産廃業者Xが、当該土地を廃棄物の集積場にすべく、廃棄物を約13メートル積み上げ、容易に原状回復できないようにした
→Xの罪は?
               ↓
1 不動産侵奪罪(刑法235条の2)の成否が問題となる
               ↓
2 「他人の不動産」
  :他人の占有する他人の不動産
               ↓
  甲は行方をくらます→土地を現実に支配・管理するのが困難
→もはや甲に占有はなく「他人の」不動産とは言えないのでは?
               ↓
  不動産の占有の有無の判断→動産よりも、占有の意思を重視して判断すべき
   ∵ 不動産は動産と異なり、恒常的な現実の管理は困難なことが多い
          本件では、↓
  甲は当該土地を占有している→「他人の不動産」にあたる 
   ∵ 甲が行方をくらませたのは債権者の追求を一時的にかわすため→甲が当該土地を支配する意思を放棄したとまではいえない
            次に、↓
3 「侵奪」
  :不法領得の意思をもって、不動産に対する他人の意思に反し、その事実上の占有を排除して、これに自己or第三者の事実上の支配を設定すること
           そして、↓
  正当な利用権限に基づく土地の利用行為
→他人の不動産に支配を設定しても「侵奪」にはあたらない 
∵ 合意の範囲内→他人の意思に反していない
           しかし、↓
  たとえ正当な利用権限を有する者の行為であっても、
その権限の範囲を逸脱して不動産を利用した場合→「侵奪」に当たりうる 
∵ 他人の意思に反している
          本件では、↓
  Xの行為は本権者Yの意思に反する
  ∵ Xの利用権限は建物賃借権に付随する限度→にもかかわらず、土地を廃棄物集積場として利用
→利用権限を逸脱
           そして、↓
  Xは、Yの事実上の占有を排除し、Xの事実上の支配を設定したといえる
   ∵ 廃棄物を13メートルも積み上げる→容易に原状回復できない 
           よって、↓
  Xには不動産侵奪罪が成立する

                                以上

 


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posted by 一徹 at 11:36 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不動産侵奪罪(刑法235条の2)のまとめ

一 趣旨

不動産は窃盗罪(刑法235条)の客体にならない
 (∵不動産の占有移転は極めて困難)
→しかし、不動産の不法占拠を抑制する必要あり
→不動産窃盗を処罰すべく本罪を創設


二 客体 「他人の不動産」

→他人の占有する他人の不動産  ∵ 平穏占有説

 * 定着物を動産化して領得した場合
   →窃盗罪となる(判例)


三 行為 「侵奪」

→不法領得の意思をもって、不動産に対する他人の意思に反し、
 その事実上の占有を排除して、これに自己or第三者の事実上の
 支配を設定すること
 (大阪高判S40・12・17)

 


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posted by 一徹 at 11:29 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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