「暴行」を受けた被害者が反抗を抑圧されずに憐れみ等の動機で財物を交付した場合に強盗罪(刑法236条1項)が成立するか?


「暴行」を受けた被害者が反抗を抑圧されずに憐れみ等の動機で財物を交付した場合に強盗罪(刑法236条1項)が成立するか?
               
強盗未遂罪説(通説)
 ∵ 暴行・脅迫と財物奪取との間に因果関係がない→「強取」といえない

強盗既遂罪説(判例) 
 ∵ 客観的に反抗抑圧に足りる暴行・脅迫あり→財物奪取との間に条件関係あり→「強取」あり





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posted by 一徹 at 18:25 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暴行・脅迫後に財物奪取の意思を生じて財物を奪った場合の強盗罪の成否 | 論証


<事案>  
Xは路上で目があったYに腹を立てYを抵抗できなくなるまで殴り続けた
→その後Xは金が欲しくなり、Yから財布を奪った
→Xの罪は?
               ↓
1 XがYを殴った行為→暴行罪(刑法208条)
  ∵ 人の身体に対する不法な有形力の行使
            次に、↓
2 抵抗できなくなったYから財布を奪った行為
  →強盗罪(刑法236条1項)が成立しないか?
  暴行・脅迫により被害者の反抗を抑圧した後に財物奪取の意思を生じて財物を奪取する行為が「強取」といえるか?
               ↓
「強取」といえるには、財物奪取の意思に基づく暴行・脅迫が必要
  ∵ @ 強盗罪が窃盗罪よりも重く処罰されるのは、財物奪取の手段として暴行・脅迫を用いるから
    A 準強姦罪(刑法178条)に対応する規定がない→抗拒不能状態を利用した財物奪取を強盗罪として処罰しない趣旨
           よって、↓
暴行・脅迫後に財物奪取の意思を生じた場合、新たに暴行・脅迫が行われない限り(*)、強盗罪は成立せず、窃盗罪が成立するにすぎないと解する
           よって、↓
Xの暴行・脅迫は財物奪取の意思に基づくものではない→「強取」にあたらない
→強盗罪不成立
→窃盗罪(刑法235条)が成立→暴行罪と併合罪(刑法45条前段)

 * この場合の暴行・脅迫→通常の強盗罪における暴行・脅迫よりも程度の軽いもので足りる
   ∵ 被害者は既に反抗困難な状態にある


<判例の傾向>
(1)暴行後に被害者の反抗抑圧状態に乗じて財物を奪取した事案
   →窃盗罪とする判例が多い
(2)強姦後に女子の畏怖に乗じて財物を奪取した事案
   →強盗罪の成立を認める判例が多い
   (批判)強姦の場合と、それ以外の場合を区別する理由はない



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posted by 一徹 at 18:47 | Comment(0) | 民法総則 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

臆病者に対する暴行・脅迫に強盗罪が成立するか | 論証


反抗を抑圧する程度に足りない暴行・脅迫で、臆病者が反抗を抑圧され財物を奪取された。
強盗罪(刑法236条1項)が成立するか?
               ↓
「暴行・脅迫」→反抗を抑圧するに足りる程度のもの 
  ∵ 被害者の意思に基づかない財物奪取が強盗罪の本質
          とすれば、↓
一般的に、反抗抑圧するに足りない程度の暴行・脅迫であれば強盗罪は不成立
→恐喝罪にとどまる
          もっとも、↓
被害者が臆病者であることを行為者が知っていた場合
→「暴行・脅迫」にあたると解する→強盗罪となる
  ∵ 構成要件は有責類型でもある→行為者の認識事情も判断の基礎事情となる




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posted by 一徹 at 18:39 | Comment(0) | 刑法各論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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